決済サービス「PayPal(ペイパル)」が7月以降で銀行口座から決済できる機能(口座振替)を追加します。これによりクレジットカードの番号を打ち込まなくても、PayPalが利用できるようになります。実質的にPayPalがデビットカードのように使え、安心して残高の範囲内で利用できるということです。
対象となる銀行は以下の6行です。
みずほ銀行
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
りそな銀行
埼玉りそな銀行
ゆうちょ銀行
<現金好きな日本人には起爆剤?>
PayPalは2億以上のアカウントがあり、銀行決済の追加により更にアカウントが増える見込みです。創業者はシリコンバレーで大きな影響力をもつピーター・ティールさんや電気自動車「テスラ」のイーロン・マスクさんなどです。
メリットはECサイトでの手数料がなくなる点や定期的に支払う場合の自動支払い、購入代金の返金(「買い手保護制度」)などです。
企業側にも大きなメリットがあります。現金主義の日本人の顧客ならば、PayPalをサイトに導入することで逃していた顧客にアプローチできます。
また企業から個人に対して1回あたりで10万円の支払い機能も追加します。これは企業側にはかなり大きいインパクトです。支払う個人がPayPalアカウントを持っていなくても、個人のメールアドレスと金額を指定するだけで国内・海外に送金できます。銀行の口座を確認する手間が省け、メールアドレスだけ管理していれば良いことになります。
個人の方はPayPalから自動でメールが届くので、所定の手続きを経れば、いつも通りにATMなどからお金をおろすことができます(PayPal上での本人手続きがなしになります)。10万円以上の場合には、従来通りに本人手続きが必要です。
これらの機能は遅くても8月には全個人アカウントで登録できるようになる、とのことです。気になるのはPayPalの普及度ですね。新たに組む相手はGoogleです。5月に発表されました。「Google Pay」などのGoogle関連の支払いをPayPalと連結します。つまり、PayPalを設定してしまえば、Googleアカウントにログインするだけで様々な購入ができたり、友だちから借りたお金を返したりできます。
企業もアカウント作成で手数料を下げれる
更に同じ5月には「PayPal.me」も開始。これは中小企業・個人事業主向けサービスで、URLを通じて決済・請求を行うことができます。リンクを作ってEメール・SMS・インスタ・FacebookなどのSNSでシェアします。受取った相手はモバイルで支払うことができます。そしてEC事業者は店舗名やブランド名、商品名などのオリジナルの専用URLの作成もできます。
銀行手数料より安いPayPalの普及は、今回のメールアドレス送金とGoogle連携により、個人アカウントが爆発的に増えそうです。企業間の送金も企業アカウントの増加により手数料が下がります。